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2320 ガラス放電 |
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●ためしてみよう
放電ショウのスタートボタンを押すと、ガラス面をはう放射状の放電が見られます。
たてよこ30cm、厚さ5mmのガラス板をはさんで、両側に電極がつけられています。2つの電極のあいだに6万V(ボルト)の交流電圧をかけると、ガラスの表面に沿って放射状に放電が起こります。ガラス板もまわりの空気も絶縁体ですが、固体の絶縁体は気体より1000倍も電気を通しにくいので、電気は厚さ5mmのガラス板を通過できずにガラス表面の空気中を流れ、ガラス板のふちをまわりこんで反対の極に達します。このとき発生する高熱が空気を振動させビリビリと激しい音を立てます。このように固体や液体の表面をはう放電を沿面放電といいます。
電気をよく通す物質を導体といいます。銅、鉄、鉛などの金属はいずれも電気の良導体で、なかでも銅、銀、金はすぐれています。金属がよく電気を通すのは、金属の中に伝導電子とよばれる自由に動きまわることができる電子があることによります。
反対に、電気を伝えない物質は絶縁体とよばれます。空気をはじめとする一般の気体や油などの液体、ガラス、プラスチック、ゴムなどの固体は通常電気を通しません。しかしながら、いずれの物質も限度以上の電圧をかけると絶縁の性質を失って電気が流れだします。この現象を絶縁破壊といいます。放電現象は気体の絶縁破壊によって起こります。