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2410 電子顕微鏡 |
Scanning Electron Microscope |
●ためしてみよう
走査型電子顕微鏡で極微の世界を観察してみましょう。
操作盤上に、試料を移動するボタンが6個(上、下、左、右、左回し、右回し)、ピント合わせのボタンが2個、倍率合わせのボタンが2個(拡大、縮小)あります。
■走査型電子顕微鏡
電子顕微鏡には透過型と走査型の2種類があります。透過型の分解能は走査型より優れていますが、きわめて薄い試料の透過像しか観察できないので試料の準備が容易ではありません。これに対して、走査型電子顕微鏡は試料の準備が比較的簡単で、試料をそのままの形で立体的に観察することができます。
走査型電子顕微鏡では、電子銃から発射された電子線を電子レンズを通して集め、試料面上を走査させます。試料面にあたって反射した電子や、試料からはじき出された電子を検出して、この量をモニターテレビ上に映し出します。
倍率は試料の表面を走査する長さとモニター画面の大きさによって決まります。画面の大きさは一定なので、走査する範囲が狭ければ狭いほど倍率が上がり、拡大されて映ります。
電子顕微鏡の試料室の中は真空になるので、試料に水分が含まれていると水分が急激に蒸発し試料が破裂してしまいます。このため水分を含んだ試料は事前に乾燥しなければなりません。空気中で乾燥すると試料は縮んだり、しわができたりして変形してしまうので、臨界点という特殊な状態で形をくずさずに乾燥する方法がとられています。
また、試料表面での電子の反射をよくし像を見やすくするために試料の表面に金や白金の金属粒子を蒸着させます。この処理をスパッタリングといいます。