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3220 ストリームボール |
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●ためしてみよう
台のうえに3つのノズルがあります。ボタンを押すとノズルから空気が吹きだします。ノズルの先にスチロールのボールを置いてみましょう。ボールはどんな動きをするでしょうか。ノズルは角度を変えることができます。
ノズルから空気が吹きだすとボールが浮き上がります。ボールは吹き飛ばされずに一定の高さまであがるとその位置で安定します。ボールを軽く指で押してもまたもとの位置にもどってきます。
ノズルをゆっくりと傾けるとボールは空気の流れといっしょに動いて、ノズルの斜めうえで回転しながら安定した位置を保ちます。
●なぜだろう
水や空気など流れのあるところでは、中心ほど流れが速く、周辺では壁やまわりの空気との摩擦があるために流れがおそくなっています。流れの速いところは圧力が低く、流れのおそいところほど圧力が高くなります。このため流れの中にあるものには圧力のより低い方へ、つまり中心に近いほうへ吸い寄せられるような力がはたらきます。
ノズルから出た空気は空中に1本の空気の流れをつくります。この空気の流れも中心ほど流れが速く、気圧は低くなっています。流れのなかに置かれたボールにはボール自体の重力(下向きの力)と流れがボールを押す力(上向きの力)がはたらき、これらの力がつりあった位置でボールは安定します。流れのなかでとまっているボールに横向きの力を加えると、流れのなかの圧力の差によって逆にボールを流れの中心に引き戻そうとする力がはたらきます。ノズルを傾けて空気の流れを傾けると、ボールには重力、流れによって押される力、流れの中心に引き寄せる力が同時にはたらき、この3つの力がつりあったところでボールは安定します。ボールが流れの中心からはずれるとボールの両側での流れの速さが変わることからボールは回転をはじめます。