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4410 黄色いリンゴ |
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●ためしてみよう
赤や緑のリンゴを黄色いライト(ナトリウム灯)の下におくと、どんな色に見えるでしょう。また、赤いフィルターを通してリンゴを見ると、どんな色に見えるでしょう。
普通の光の下で赤や緑に見えるリンゴも、ナトリウム灯の下ではすべて暗い黄色に見えます。赤いフィルターを通してリンゴをみると、すべて赤い色に見えます。どちらの場合も単色で、明るさの違いしか分からなくなってしまいます。
●なぜだろう
物が目に見えるのは、太陽や電灯の光を物が反射して、その反射した光がわたしたちの目に入るからです。太陽や電灯の光は白色光とよばれ、いろいろな波長の光がふくまれています。この白色光が物にあたって反射されるとき、どの波長の光もみなひとしく反射されるとその物は白く見えます。特定の波長の光だけが反射されるとその物はその光の色に見えます。
赤いリンゴに太陽の光や電球の光があたると、波長の長い赤い光が反射され、ほかの光はすべて吸収されてしまいます。わたしたちの目には反射された赤い光だけが入るので、リンゴが赤く見えます。
赤い成分を含まない光をリンゴに当てると、光はほとんど吸収されてしまうためリンゴは黒っぽく見えます。
道路やトンネルなどの照明に使われている黄色いランプがナトリウム灯です。ナトリウムの蒸気を封入した放電管で、電圧をかけると黄色い光を出します。この光は単一波長なので霧などをよく通し、遠いものを照らすことができます。
水銀灯の下では人の肌が灰色に見えたり、食べ物がおいしそうに見えないことがあります。これは水銀灯の光が太陽の光や電球の光と違って光の成分にむらがあるために、自然の色を完全に再現できないことによります。