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4460 2色法カラー写真 |
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●ためしてみよう
2つの光源のどちらかに赤いフィルターをかけて赤いバラの色を再現してみましょう。
@の光源に赤いフィルターをかけるとバラの花は赤く、茎や葉は緑に見えます。Aの光源に赤いフィルターをかけると花が緑に、茎や葉が赤くなってしまいます。
赤いフィルターだけでどうして緑色が見えるのでしょう。
@の光源には赤いバラの花を赤いフィルターをかけて白黒で撮影したスライドがセットされています。Aの光源にはおなじものを緑のフィルターをかけて白黒で撮影したスライドがセットされています。つまり、@のスライドには赤い色の明るさが、Aのスライドには緑色の明るさが記録されています。したがって@に赤いフィルターをかければ、もともと赤い色を含んでいた部分だけ赤い色が再現されます。葉や茎には赤い色はほとんど含まれていないので、色はつきません(白黒のまま)が、まわりの赤い色に影響されてAに緑のフィルターをセットしなくてもこの部分が緑色に見えます。2色法カラー写真は人間の目の生理を利用した色のトリックです。
赤い光をじっと見つめたあとで白い面を見ると緑色の残像が見えることがあります。赤い光を見つめると目の網膜の一部が赤い色にマヒしてしまい、その状態で白い面を見るとマヒした部分だけ一時的に赤い色を感ずることができなくなり、 白−赤=緑 となってこの部分に緑色の残像が現れます。緑色の光を見つめた場合は逆に赤い残像が現れます。青と黄色にも同じ関係があります。このような色の関係を補色といいます。