展示物ガイド

4570 消える魚

Disappearing Fish


ためしてみよう

  1. ボタンを押すと魚が上下します。空中では見えているガラスの魚が液体の中に入ると、見えにくくなってしまいます。カメもガラスでできていますが、液体の中でもよく見えます。
  2. 左の2匹の魚の絵は、液体中では同じ大きさですが、空気中につりあげると1匹は大きく、もう1匹は小さくなってしまいます。

消える魚の写真

消える魚の写真


なぜだろう

光が空気中から水中に進むとき、水面で光の進む向きが変わります。これを光の屈折といいます。コップの中に箸(はし)を入れると水面で箸が折れまがって見えます。これは水中を進んできた光が空気中にでるときに水面で屈折するためです。ガラスやプラスチックでも同じように光の屈折がおこります。透明なものが空気中で見えるのは、光が表面で反射したり、屈折したりすることによります。

  1. 光の屈折する割合を屈折率といい、それぞれの物質によって異なります。この装置でつかわれている透明な液体はパラフィン油で、ガラスの魚は耐熱ガラスでできています。耐熱ガラスの屈折率はパラフィン油の屈折率に近いため、光はその境界面でほとんど屈折しません。このため、耐熱ガラスでできた魚は見えにくくなってしまいます。
    一方、カメはクリスタルガラスでできています。クリスタルガラスの屈折率はパラフィン油の屈折率と異なるため、光がパラフィン油とクリスタルガラスの境界面で屈折し、カメは消えることができません。
  2. 2匹の魚の絵の前にはそれぞれ凸レンズと凹レンズがはめられています。パラフィン油中ではパラフィン油とレンズの屈折率がそれほど変わらないためレンズの効果がなくなってしまい、2匹の魚は同じ大きさに見えます。空気中ではレンズの効果が現われて凸レンズ側は大きく、凹レンズ側は小さく見えます。


屈折率のちがい

空気(0℃,1気圧):1.00 
水(20℃):1.33    
パラフィン油(20℃):1.48
耐熱ガラス:1.47
クリスタルガラス:1.54

 

 

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