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4730 エックス線 |
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●ためしてみよう
扉をあけて、台の上に観察したいものを置き、扉をしめます。ボタンを押して、のぞき窓から中をのぞいてみましょう。布製のさいふや木箱の中身が透けて見えます。
●なぜだろう
台の上に置かれた観察物にエックス線を照射すると、布や木はエックス線を通しますが中の金属やゴムはエックス線を吸収してしまうために台の上にはさいふや箱の中身の影ができます。透過したエックス線が台にぬられた蛍光物質にあたると、その部分だけ発光し、影の部分は暗くなります。のぞき窓からは鏡に映ったシルエットで中の状態を観察することができます。
■エックス線
波長が0.1nm(ナノメートル:10億分の1メートル)前後の電磁波を一般にエックス線とよんでいます。エックス線は金属の標的に電子を衝突させたときに放射されます。放射されるエックス線の波長は電子が標的にあたるときのエネルギーできまります。
エックス線は軽い原子でできている密度の小さい有機物(木、繊維、肉など)はよく透過しますが、金属や骨などには吸収されてしまいます。この性質は金属探知機やエックス線写真撮影に利用されています。
宇宙からのエックス線を観測すると、中性子星や超新星爆発の残骸の星雲などからたくさんのエックス線が放射されていることがわかり、これらを調べることによりこれまでわからなかった宇宙の成因や構造が次第に明らかになりつつあります。宇宙からのエックス線はその大部分が地球の大気によって吸収されてしまうため、人工衛星を使って大気圏外で観測をしています。