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5120 光学望遠鏡

Optical Telescope


光学望遠鏡の写真光学望遠鏡

レンズをつかった望遠鏡ではじめて月や木星を観測したのはガリレオでした。1609年、イタリアのガリレオは凸レンズと凹レンズを組み合わせた屈折望遠鏡を自ら製作して、それを天体に向けました。その望遠鏡は対物レンズの口径(直径)が42mm、長さ2.4mで倍率は9倍でした。

同じ頃、ドイツのケプラーは接眼レンズに凸レンズをつかう望遠鏡を工夫しました。この望遠鏡では像がさかさになりますが、ガリレオの望遠鏡にくらべて視野が広くとれるために天体観測に向いています。

それから約60年後の1671年、イギリスのニュートンはレンズのかわりに凹面鏡をつかった口径34mm、焦点距離16cm、倍率38倍の反射望遠鏡を作りました。凹面鏡はレンズにくらべ色収差や球面収差がなく口径の大きなものが正確に作れるため、いまでは大きな望遠鏡にはほとんどこの反射式が採用されています。

図・反射望遠鏡と屈折望遠鏡

ここでは、代表的なガリレイ式屈折望遠鏡、ケプラー式屈折望遠鏡、ニュートン式反射望遠鏡の3種類の望遠鏡をシースルーモデルで展示しています。

 


ハッブル宇宙望遠鏡

1990年に高度300kmの地球周回軌道に打ち上げられた人工衛星で、主鏡の口径2.4m、副鏡0.31mの反射式望遠鏡を備えています。打ち上げたときは鏡がピンボケでしたが、その後スペースシャトル「エンデバー」の活躍で修復され、地上からは大気にじゃまされて観測できない天体や宇宙のすがたをとらえる宇宙天文台として活躍しています。宇宙のはてを観測する目的があり、宇宙の膨脹の法則をしめしたエドウィン・ハッブルにちなんでハッブル宇宙望遠鏡と名付けられました。


大型反射望遠鏡「すばる」

ハワイのマウナケア山頂に日本の国立天文台が建設した「すばる」は、大型反射式望遠鏡で、口径8m、一枚の鏡でつくる望遠鏡としては製作の限界といわれています。動くたびに発生する鏡のひずみをコンピュータ制御で補正し精度を上げるように設計されています。可視光線だけでなく赤外線も測定できるためその活躍が大いに期待されています。

高い山の上に天文台がつくられるのは、天体観測にとって有害な街の灯から遠く離れられること、またチリやほこりも少なく空気が薄く安定して星が瞬くことがないなどの理由によります。ハワイのマウナケア山頂にはハワイ大学をはじめ、イギリス、フランスなど各国の天文台がたくさん立ちならんでいます。

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