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5130 宇宙通信 |
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●ためしてみよう
カメラに向かって手を上げてみましょう。画面に映った自分の映像は3秒ほどたってからようやく手を上げます。
裏側の2つのモニター画面にはカメラがとらえている今のようすと、宇宙通信によって遅れた映像の2つが同時に映し出されています。
一般に無線通信は電波を使って行われます。電波は光と同じで1秒間に30万km進みます。このため地上では電波の速さは問題になりませんが宇宙空間のように数万kmの単位で距離が離れると電波がとどくまでに時間がかかり指令を送ったり会話したりするのがむずかしくなります。月と地球はおよそ38万km離れているので、電波の速さでも1秒と少しかかります。60万km離れた宇宙船では片道2秒、往復では4秒もかかってしまいます。
宇宙空間での作業に対し、離れたところから指令を出すと通信に時間がかかり効率がわるくなります。このムダをなくすため、地上では作業状況をコンピュータでシミュレーションし、宇宙空間での実際の作業状況が前もってわかるようにします。